「自維で300議席超」の情勢調査に自民候補が焦る理由、永田町を駆け巡った公明の「重点区リスト」に載っていた名前とは
8日投開票の衆院選の情勢調査は、メディア各社とも自民に好調な結果を報じている。そのなかでも選挙戦中盤には朝日新聞と産経新聞が、自民と維新で300議席を超えるという予測を出した。
この報道に焦っているのは、ほかでもない自民候補陣営だ。
中道候補との接戦が報じられ、高市早苗首相が応援演説に入った陣営の関係者は「高市首相を見たいと8000人以上もの人が会場に集まったので、陣営が浮足立って緩んでしまった。雪深い地域なので、情勢調査を見て自民党支持者が『どうせ自民が勝てるんだから』と投票に行かなくなることも怖い」と不安をみせる。
2月に入ってからは、永田町で自民による情勢調査とされるデータも出回った。それによると、1月上旬・1月下旬・1月末~2月初めの3回の調査でいずれも自民は過半数の233を超える議席数を獲得すると予想され、1月末~2月初めの調査では、1月下旬の調査よりも自民が15議席増やす結果となった。そのため、調査資料にも「創価学会がより強化した活動を展開していくことや、朝日新聞の(情勢調査)報道による揺れ戻し」があるとして、引き締めを図る文言が並ぶ。
一方、公示前勢力から半減する可能性もあると報じられた中道改革連合は、「党幹部の間にも悲壮感が漂い、雰囲気は最悪。自民のスキャンダルや失言があったとしても公示前勢力の維持は難しい。野田佳彦共同代表や斉藤鉄夫共同代表は即日辞任やむなしというムードだ」(野田氏周辺)。各地の現場からも「せっかく今まで地域をこまめに回って支持を広げてきたのに、野合への失望と高市ブームにひっくり返されたらたまらない」(中道前職・立憲系)との嘆きが漏れる。
別の前職(立憲系)も「街頭演説でいつもより聴衆の反応がいいなと思ったけど、熱心に聞いてくれるのは創価学会の女性会員。そういう支持者の反応よりも、情勢調査のほうが実態に近いんだろう」と肩を落とす。
そうした中、1月31日には創価学会が100以上の選挙区を重点区として巻き返しを図る指示を出した、との情報とともに重点選挙区リストが永田町を駆け巡った。そこには中道の馬淵澄夫・共同選対委員長の奈良1区、逢坂誠二・選対事務局長の北海道8区など、大物・ベテランの選挙区も並ぶ。
ただ、中道がどこまで巻き返しを図れるかは未知数だ。
中道前職(立憲系)は「街頭では熱心な学会員が応援してくれているけど、公明が持っている支援者名簿に電話を掛けても、つながらないことも多いみたい。公明・創価学会も高齢化して選挙の体制が弱体化しているのだろう。期待していた組織力がどこまで効いてくるのか不安だ」と打ち明ける。
また、「公明と合流したことで、宗教色を嫌う支持者や、リベラルな支持層が逃げてしまったと感じる。街頭演説でも創価学会の会員が熱心に応援してくれるのはありがたいが、逆にこれまでの立憲支持者はその雰囲気におされ気味になってしまうようだ」(同)とぼやく。
もともと立憲が公明党・創価学会の集票力に期待し、比例名簿の上位を譲ってまで結成した中道改革連合。「負けるにしても、公明党・創価学会だって『自分たちのおかげで負け方が悲惨にならずに済んだ』と見せたいと、がむしゃらになっている」(立憲関係者)という底力を見せることができるか。
文/中村まほ 内外タイムス