“弱ったリベラル”が創価学会の軍門に…池田大作が予見していた「中道改革連合」に隠された「親中思想」

2月8日の衆議院選挙を前に、公明党と立憲民主党による新党「中道改革連合」の動きが注目を集めている。

この新党には立憲の衆院議員148人のうち144人が参加することに加えて、立民の逢坂誠二選対委員長が19日に明かしたところによれば、候補者の緊急募集に173人もの応募があったという。メディア各社は前回や前々回の衆院選で、もしも中道改革連合があったと想定したシミュレーションを実施して、「第一党」という試算結果も報じられている。

ただ、この新党の得票数が「公明党支持者+立憲民主党支持者」という単純な合算になるとは限らない。両党はメディアに対して「対等な協力関係」をアピールするが、実際のところ「公明党に左派政治家が吸収された」という構図だからだ。

それをうかがわせるのが「中道」という政党名と綱領の中に理念として掲げている「人間主義」という言葉だ。

どちらもこれまであまり聞いたことがないワードだと思った人も多いだろうが、これらは実は故・池田大作創価学会名誉会長が公明党を創設した際に掲げていた言葉だ。池田氏の著書「新・人間革命」(聖教新聞社)や講演でも「中道政治で平和と繁栄の新社会」などと頻繁にあらわれる。

そんな“池田イズム”が実は急速に立憲民主党の中に広がっていた。新党に批判的な立場を貫く原口一博衆院議員はSNSで昨年末から安住淳幹事長にある「異変」が起きていたと証言している。

「中道、中道、中道って言い出したんですよ。合流の前の去年の12月ぐらいに。ブロック会議っていうのがあって。中道っていきなり言い出したんで、変だなと」

うがった見方をすれば、立憲民主党の議員たちは、創価学会の政治を介して「広宣流布」(信者を獲得し日蓮の教えを広める)を行うという戦略にまんまとハマってしまったということになるわけだが、実はこのような事態をはるか昔に予見していた人物がいる。そう、他でもない池田氏だ。

2014年に発売された「新・人間革命 11巻」の中には主人公・山本伸一こと池田氏のこんな言葉がおさめられている。

「これから先、党として、ある場合には革新政党と手を結ぶこともあろう」

当時は第二次安倍政権。公明党は与党として自民党と蜜月関係にあった時だが、「中道」「人間主義」を唱えていた池田氏にはすでに現在のような未来を見据えていたのかもしれない。

もちろん、立憲民主党にとっても悪いことばかりではない。特定の政治信条をもつ一部議員にとって「中道入り」は心強い味方を得た形になる。そのイデオロギーとは「親中」だ。

よく公明党は「親中」と言われるが、実はその背景にも「中道」「人間主義」を掲げた池田イズムが深く関係している。わかりやすいのは1994年1月31日、中国の深セン大学での池田氏の講演だ。

「人間主義は、東洋的発想全般に見られますが、中国思想は、その典型であります」と持ち上げるだけではなく「社会主義」に対してもこのように称賛をしている。

「”社会主義市場経済”の適否を判断し、調整を加えていく方法は、経済に人間が翻弄されることなく、あくまで“人間のための経済”を貫こうという、優れて人間主義的な発想であります」

「親中」と呼ばれる、中国との対話・友好を掲げる政治家からすれば、池田氏が唱えた「中道」「人間主義」はなんの違和感もなくピタッとシンデレラフィットする「教え」なのだ。

2023年に亡くなった際、岸田文雄首相(当時)は「深い悲しみにたえません」とSNSで投稿。「内閣総理大臣」として東京・信濃町本部に弔問に訪れた。そんな最大限の敬意を払った池田氏の「思想」が今度は自民党に立ち塞がるというのも皮肉な話だ。

死してなお日本政界に絶大な影響力をもたらす「池田イズム」が、高市自民をどこまで追いつめるのか注目したい。

文/窪田順生 内外タイムス

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