久米宏の功績に追悼のコメント多数 模型やフリップを駆使した分かりやすいニュース番組の先駆け

フリーアナウンサーの久米宏さんが今月1日、肺がんのため81歳で亡くなったことが13日、所属事務所の公式サイトで発表された。テレビ朝日系「ニュースステーション」では18年半にわたりメーンキャスターを務め、テレビ界に大きな足跡を残した。

訃報を受けて、テレビ界からは追悼の声が相次いだ。久米さんの後を継いで「報道ステーション」のメーンキャスターを務めた古舘伊知郎は「久米さんにかなわないと思った。だから意図的に嫌いになろうとした」と複雑な思いを明かした。

TBS系の音楽番組「ザ・ベストテン」で、コンビで司会を務めた女優の黒柳徹子は「本当の親友だった。さよならは言いたくない」とコメント。元フジテレビアナウンサーの笠井信輔は「久米さんが切り開いた道があったから、今のキャスターたちがいる」とその功績を称えた。

テレビ朝日は13日、「報道ステーション」を特別版として放送。かつての「ニュースステーション」のオープニング映像を再現し、約40分にわたる追悼特集を組んだ。

久米さんがメーンキャスターを務めた「ニュースステーション」は、2004年3月までの18年半で4795回放送され、平均視聴率14.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という驚異的な数字を残した。模型やフリップを多用し、専門用語を避けた分かりやすいニュースの報道の先駆け的な番組として、市民権を得ていった。

一方で、昨年3月にみのもんたさんが80歳で亡くなり、テレビの「顔」として長年活躍してきた大物司会者が相次いで姿を消している。これからのテレビ業界では、個性の強い司会者は生まれにくくなっているとの見方もある。

その背景として挙げられるのが、発言を巡るリスクの高まりだ。ある現役のテレビ制作スタッフは、自身のnoteで、出演者の発言や私生活を巡って炎上が起きた際、番組側が即座に対応に追われる現状を明かしている。「一つの発言がSNSで拡散され、番組やスポンサーに影響が及ぶ可能性があるため、制作現場では常にリスクを意識せざるを得ない」と記している。X(旧Twitter)などで視聴者の反応が瞬時に可視化される今、司会者が自由な発言を貫くことは難しくなっているという。

週に何本ものレギュラー番組を抱え、視聴率を一身に背負う司会者は、最近はほとんど見られなくなった。視聴率が一人の「顔」に集中する構造は、すでに変化しているようだ。

【特別版】「ニュースステーション」風OP

「ニュースステーション」のキャスターを18年間にわたってつとめた久米宏さんが亡くなりました。81歳でした。
時に厳しく、そして痛快に縦横無尽のスタジオワークでニュースの本質に迫る姿は「テレビ報道の革命児」そのものでした。 pic.twitter.com/i9WK2mdFrV

— 報道ステーション+サタステ (@hst_tvasahi) January 13, 2026 報道ステーション+サタステの公式Xより

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