国交省、東京~大阪間に無人で自動搬送される物流システム構築へ 深刻なドライバー不足対策

日本の物流は深刻な人手不足と「2024年問題」に直面している。トラック事業では2024年4月から働き方改革関連法施行により時間外労働の上限規制などが適用された。労働時間が制限されることで、1日に運ぶことができる荷物の量が減少し、ドライバーの収入も減少する。今でさえトラックドライバーのなり手が減り、現役世代の高齢化が進んでいるのに、収入が減少すればさらに人手不足が深刻化するだろう。

国土交通省ではこれら物流業界が抱える社会問題を解決すべく、「自動物流道路(オートフロー道路)」を推し進めている。18日にその実証実験の一部が公開され、テレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」がレポートした。

自動物流道路とは、道路の地下や高速道路などの空きスペースを活用し、24時間自動で荷物を運ぶ専用道路の「物流専用インフラ」構想だ。2030年代半ばまでに、東京~大阪間の一部区間で無人化・自動化した物流システムの構築を目指している。

具体的には、東名高速道路の中央分離帯や路肩、地下部分を利用する。これにより、1日あたり1万2000~3万5000台のトラックに相当する輸送力を確保できると試算されている。

大型の物流トラックが一般道や高速道路から減れば、交通事故や渋滞が減少する。また、トラックの走行台数が減れば、CO2排出量を大幅に削減できる。

実証実験ではスタートアップのCuebus(東京・台東)が開発した自動輸送装置が披露された。これはリニアモーター式搬送機で、大きなタイヤのついた荷台の下に磁石がついており、荷物を積んだ台車が磁石のついたレールの上を自動走行する。「動く歩道」や「無人倉庫」の道路版のようなイメージだ。

別の企業はトンネル内のような通信が不安定な環境でもいかに安全に走行できるかを確認していた。現在、この実証実験には大成建設やIHI、NTTドコモビジネスなど20以上の企業・団体が参加しているという。国交省道路局の久保尚也企画専門官は「人が荷物を運ぶ世界から物が自動で運ばれる世界を実現したい」と語る。

スマホ普及やコロナ禍を経て、ネット通販(EC)の利用が爆発的に増加した。小口の配送が激増し、従来の「人の手による配送」だけではすでに限界を迎えている。トラックドライバーの数は、2020年度は約66万人だったが2030年度には約48万人まで減少するという試算もあり、物流問題にはすべての人がかなりの危機感を持った方がいいだろう。

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