フィギュアの使用曲、著作権問題が浮き彫りに 演技に合わせて編集する際も申請必要

6日から開催し、連日熱い戦いが繰り広げられているミラノ・コルティナ五輪。中でも日本人にとって印象に残った競技の一つがフィギュアスケート団体だろう。

日本は、愛称「りくりゅう」の愛称で知られる三浦璃来と木原龍一ペア、女子が坂本花織、男子が鍵山優真、佐藤駿、アイスダンスが吉田唄菜と森田真沙也ペアで臨み、米国と大接戦の末、順位点わずか1点差で敗れ銀メダルとなった。

米国はこれで2連覇を達成したが、代表メンバーのアンバー・グレンに使用楽曲をめぐる著作権問題が起こったのは記憶に新しい。

グレンは8日(日本時間9日)の団体戦女子フリーで見事な演技を披露。米国の金メダルに大きく貢献した。競技のあと、カナダ人アーティストのセブ・マッキノンが、自身のSNSで「オリンピックのフィギュアスケーターが私の曲を許可なく使ってたことを知った。オリンピックではよくあることなの?」と疑問を呈した。

この投稿には数々意見が寄せられ大きな話題に。後日控えた女子シングルのフリーで同曲が使えなくなることが危惧されたが、グレンは日本時間10日にXを更新。「音楽の権利問題は複雑で難しい。そのプロセス全体で問題が生じたようです。セブとの関係がクリアになり、彼とのコラボを楽しみにしています」と懸念事項が解消したことを報告した。

一方、マッキノンもXを更新。「問題は解決しました。音楽が人々にインスピレーションを与えるのは素晴らしいことです。クリエーターは作品が使用される際に、明確な同意、適切なクレジット、そして正当な報酬を得る権利がある、というのは誰もが認めるところです」と和解したことを明かした。

今回に限らず、フィギュアスケートではたびたび楽曲の著作権問題が起きているが、その背景には何があるのか。スポーツライターはこう説明する。

「基本的にフィギュア選手は自分で曲を選んで自分で許可を取ります。作詞、作曲者への申請、演奏しているミュージシャンへの申請、フリーやショートの長さに合わせるための編集の申請もしなければならない。手続きが多くて時間もかかるうえ、申請料も必要になり、大変なのです」

かつては作者の没後70年が経過し、著作権が消滅したクラシック音楽が主流だったためあまり意識されていなかったが、2014年にボーカル曲の使用が解禁されてから問題が顕在化。国際スケート連盟(ISU)などはサポート体制の整備に乗り出しているが、まだまだ追いついていないのが現状のようだ。

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