若者層が自民党回帰 YouTubeは「高市早苗」にメディアジャック状態に

今回の衆議院選挙、自民党が316議席を獲得して圧勝し、一方で中道改革連合は49議席と惨敗した。維新の36議席と合わせると与党は352議席である。9日放送のテレビ朝日系「モーニングショー」が出口調査の結果を紹介し、何が起きたのかを分析した。

昨年の参院選で自民以外に投票した人で今回は自民に投票した人は、参政19%、国民18%、保守17%、維新13%、公明12%となっている。前回、石破自民を嫌って参政や国民に投票した人が自民に戻ってきた形だ。

近年の国政選挙は無党派層の動向が勝敗を決すると言われるが、無党派層で自民に投票した人はどのくらいいたのか。昨年の参院選で14%だったが、今回の衆院選は24%だった。無党派層に絞っただけで10%もアップしている。

無党派というのは、自民も野党も特定の政党を積極的に支持しないという有権者だが、JX通信社の米重克洋代表は「高市総理の経済政策やイデオロギーに共感する若い世代の自民回帰が進んだ。ネット地盤の強さも選挙期間中の支持加速につながった」と解説する。

では、惨敗した中道はどうか。昨年の参院選で公明に投票した有権者のうち75%は今回中道に投票している。創価学会はある程度票を固めたと言っていい。しかし、昨年の参院選で立憲に投票した有権者のうち今回中道に投票したのは64%だった。約4割の立憲支持者の票が逃げたことになる。

レギュラーコメンテーターの玉川徹氏は「自民党は比例で前回の参院選は1280万票だったが今回は800万票増やしている。投票率は参院選からほぼ変わっていないので、800万票はどこから来たのか。中道(立憲+公明)は前回から227万票減らし、国民民主は212万票減、参政は326万票減だ。これを足しただけでも800万に近くなる。出口調査を見る限り、立憲支持者が自民やチームみらいに逃げたのではないか」と解説。

コメンテーターの猿田佐世弁護士は自民の勝因について“高市ブーム”だと言い、その上で「既成の政治を否定して変えると、SNSでバズらせて若い有権者を取り込んでいった。細かい政策は脇に置いといて、現状を“変える”というイメージ」と指摘した。

選挙ドットコムの「YouTube再生数とポジネガ分析」にはそれがはっきり表れており、「自民党」というワードよりも「高市早苗」というワードの動画が圧倒的に多く、内容もポジティブなものが多い。一方、中道に関してはネガティブなものが圧倒的に多い。YouTubeを1つの情報空間と見れば、高市氏にメディアジャックされた状態である。

18日から特別国会が始まる予定だが、高市総理は政府のインテリジェンス機能を高めるために「国家情報局」の設置を優先課題に挙げている。ここには国会で議論が頓挫した「スパイ防止法」の話も含まれる。高市氏は選挙期間中も「国論を二分する政策に挑戦する」と再三主張していたが、どのように議論が深まるのか注目すべきだ。

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