スキー・ジャンプでスーツ面積の拡張疑惑 1センチの違いで結果が大きく左右
6日に開幕したミラノ・コルティナ五輪。スキー・ジャンプ競技では7日に女子個人ノーマルヒルが行われ、初出場の丸山希が銅メダルを獲得。日本勢のメダル第1号に輝き、大きな話題になった。
ミラノ五輪のスキー・ジャンプをめぐり、開幕直前に衝撃的なスキャンダルが波紋を呼んだ。男子選手たちが、少しでも飛距離を伸ばすためにヒアルロン酸を局部に注射して大きくし、スーツの面積を広げているというものだ。
ことの発端はドイツ紙「ビルト」による報道。一部のジャンプ選手がスーツの採寸前に男性器へヒアルロン酸を注入し、陰茎を大きくすることで競技上有利なスーツを製作しているという内容だった。
選手はシーズン開始前に3Dスキャナーによる計測を受け、そのサイズをもとにスーツを作る。その際、股下のゆとりが大きいほど「ムササビ」の前足と後ろ足の間にある飛膜のような部分が増えて浮力が得られるので、それを改変しているというのだ。
続けてイギリスのBBCもこの問題を取り上げ、国際スキー連盟(FIS)のレースディレクター、サンドロ・ペルティーレ氏の「スーツの1センチの違いがすべてを左右する。表面積が5%大きければ、より遠くまで飛べる」とのコメントを紹介。また、FISの広報部長ブルーノ・サッシ氏が「競技者が競争上の優位性を得るためにヒアルロン酸注射を利用したという兆候はおろか、証拠すら一切存在したことはない」と疑惑を否定したことを報じた。
ジャンプ競技の不正スーツ問題は今に始まったことではない。25年3月のノルディックスキー世界選手権では、ノルウェー代表がスーツの股下部分に規定外の素材を使用する不正改造を行っていたことが発覚。これにより、複数選手が失格および資格停止処分を受けている。
今回の問題に絡み、世界反ドーピング機関(WADA)のオリビエ・ニグリ事務総長は「もし何かが明るみに出れば、それがドーピングに関連するものかどうかを必ず調査する」と強調した。調査が必要ないよう、フェアな競技が行われることを期待したい。