【田母神俊雄のニュース・レビュー】衆議院選の行方――自民党内の米国派、中国派、日本派とは

衆議院選が始まった。高市総理はこの選挙に勝ち、総理としての指導力を強化したいのだと思う。

自民党の議員構成を見ると、米国についていけばよいとする米国派の議員、中国に親近感を覚える中国派の議員、そして日本の国益を最優先する日本派の議員の三つに分かれているのではないか。

高市総理は日本派であると思うが、彼女が自ら温めてきた政策を実行しようとしても、米国派や中国派は邪魔をする可能性が高い。そこで彼女は、選挙情勢についていろいろと調査をしたのだと思うが、自民党の支持率は低い一方で高市内閣の支持率が高いこの時期なら選挙に勝てると見込み、解散に打って出たのではないだろうか。

さて、それでは選挙結果はどうなるのか。私は、総理自身が勝てると判断しているのだから、自民党+維新で過半数は獲得できるのではないかと予測する。しかし、ギリギリぐらいで勝ってほしいと思っている。自民党が大勝ちしては困る。自民党が大勝すると政権を失う心配がなくなり、米国派や中国派の議員たちは日本国民の思いを軽視するようになるからだ。

高市総理でなくても政権を維持できるとなれば、党内のリベラル派の議員が「中国と問題を起こさない総理でいいではないか」と主張して行動し、高市総理を交代させる動きが起こる可能性さえある。そんなことはない。自民大勝で高市総理の指導力が強くなるという人もいるだろう。

再び強い日本、多くの国民のための政治が行われる態勢を期待

しかし、2012年から2024年まで、自民党は衆議院で絶対安定多数の議席を持ち続けた。この間、2012年から8年間政権を維持した安倍総理でさえ、消費税減税、所得税の上限引き上げ、外国人入国制限などの措置を実現できなかった。自民党税調や経団連の要求を受け入れざるを得なかったのである。

これらが実現できるようになったのは、2024年の衆議院選で石破内閣のもと、自民党が少数与党に転落したからだ。もしあの時も自民党が絶対安定多数を維持していたならば、今回の衆議院選で自民党から消費税減税などの話が出てくることはなかったであろう。

自民党は、既得権益を守る財務省や経団連などに支配されており、必ずしも国民多数の生活に十分な思いが行き届いているとは言えない。しかし一方で、国家安全保障を考えれば、中道改革連合などに政権を渡すのは危険であり、現状では自民党に政権を担ってもらいたい。

そこで今回の選挙では、グローバリズムから日本を守ろうとする参政党、保守党、国民民主党などに議席を増やしてもらい、自民党の既得権益を壊し、多くの国民のための政治が行われる態勢が整うことを期待している。そして、それが再び強い日本をつくることになると思っている。

第29代航空幕僚長・田母神俊雄

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