法律専門家は「あおり運転と死亡の因果関係認めた意義ある判断」 東名高速あおり運転事故・石橋被告の懲役18年が確定

2017年に東名高速道路であおり運転を繰り返して一家4人を死傷させた運転事故で、最高裁は石橋和歩被告の上告を棄却した。決定は19日付。懲役18年の判決が確定した。

石橋被告は17年6月、神奈川県の東名高速道路で家族4人が乗った車に対してあおり運転を繰り返し、被害者の乗る車を停車させた。直後に後続のトラックが追突したことによって夫婦2人が死亡、娘2人が負傷する事故が発生。石橋被告は、危険運転致死傷罪などの罪に問われた。

18年に行われた一審で、横浜地裁は危険運転致死傷罪が成立するとし、石橋被告に懲役18年の判決を下した。しかし二審の東京高裁は、一審で裁判手続きに問題があったとして、一審の判決を破棄。審理を差し戻すよう命じた。

22年に行われた差し戻し後の一審でも、横浜地裁は危険運転致死傷罪が成立すると判断し、改めて石橋被告に懲役18年を言い渡した。さらに24年の第二審でも、東京高裁は横浜地裁の判決を支持し、石橋被告の控訴を棄却。判決後に裁判官らに放った「俺が出るまで待っとけよ」という発言は大きな話題となった。

今回の事故をきっかけに、あおり運転が社会問題化し、法改正が進んでいる。2020年には道路交通法が改正され、妨害運転罪が創設された。急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反で最大3年の拘禁刑に、また、妨害運転によって著しい交通の危険を生じさせた場合には最大で5年の拘禁刑となる。

道路交通法に詳しい青山北町法律事務所の松本理平弁護士によると今回の事件は、
「あおり運転と死亡の結果との因果関係を明確に認めた点に大きな意義がある判断だと思う。被告人が最後まで責任を否定する姿勢を示した点も踏まえ、判決の趣旨と危険な運転が重い結果を招きうるということを社会にどう効果的に周知するかが次の課題といえる」と指摘する。

あおり運転は、一歩間違えれば重大な事故につながる悪質な行為だ。チューリッヒ保険が2025年に行った「2025年あおり運転実態調査」によれば、5年以内にあおり運転をされたことがあると回答したドライバーは34.5%であった。あおり運転の根絶には、さらなる対策が必要だ。

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