ごみ廃棄されたリチウムイオン電池で火災 4カ月以上も処理作業が停止し復旧まで14億円の税金出費に

日々捨てられる「ごみ」。可燃ごみ、不燃ごみ、リサイクルされるものなどさまざまあるが、住民が適切に分別して捨てないと収集する清掃員が迷惑するだけでなく、思わぬ災害になることも。16日放送のNHK「あさイチ」でレポートした。

ごみは収集された後、ごみの清掃工場に運ばれる。「大人の社会科見学」としても人気の場所だ。番組で取材した東京・練馬区の清掃工場の可燃ごみは1日300トンにも及ぶ。

ダイオキシン類の発生を抑えるために800度以上で焼却することが義務付けられている。ただ、不燃ごみが紛れ込んでいると設備に大きな影響を与えるので、清掃員がごみ袋を破って搬入物検査を手作業で行っている。小さなマグカップ1個も見逃さない。

可燃ごみは灰となり、元の容積の20分の1程度になる。減量化されるとはいえ、完全になくなるわけではない。東京の場合、焼却灰が運び込まれる最終処分場は、広さ東京ドーム110個分の東京都廃棄物埋立処分場(お台場)だ。周囲は船の航路となっているため、これ以上の拡大はできないという。

最終処分場の残余年数は全国平均で24.8年、首都圏は32.6年、近畿圏は20.5年とされる。新しく最終処分場をつくるのは近隣住民の合意形成という点でもかなり難しい。山を切り開いてつくるというわけにもいかない。飲み水に影響する可能性があるからだ。

環境省の統計によると、ごみの総排出量は年々減っているものの、結局、住民による分別とリサイクルによって最終処分場の使える時間を延ばしていくしかない。

ごみ処理現場で近年もっとも大きな問題となっているのが、スマートフォンやモバイルバッテリーなどのリチウムイオン電池製品だ。従来から政府や自治体が呼びかけているのは、家電量販店などに設置されているリサイクルBOXへの持ち込みだが、昨年4月、環境省は不要になったすべてのリチウムイオン電池を市区町村が回収するよう新たな方針を通知した。ただ、自治体によって回収方法のルールが異なっているためわかりにくく、課題になっている。

ごみ収集車・処理施設などでの発煙・発火は2万1751件(令和5年度)も起きている。神奈川県藤沢市の処理施設はリチウムイオン電池が原因と思われる火災で4カ月以上も処理作業が停止している。設備の復旧、仮置場の運営、近隣自治体・民間業者への搬出などにかかった費用は年間14億円だという。

リチウムイオン電池は不燃ごみの中から見つかることが多く、清掃員がごみをかき分けて見つけている。番組が東京都町田市を取材したこの日、4時間で30個以上見つかり、発煙も4回あった。

知っておくべきは、リチウムイオン電池は決して“ごみ”ではないということ。ニッケル、コバルト、リチウム、銅、アルミニウム等の有用金属から構成されている貴重な資源だ。

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