消費税減税の財源に「宗教法人への課税」案がSNSで話題に 課税により年間4~5兆円の税収の見込み
自民党が歴史的大勝を収めた衆院選から1週間が経過した。注目されるのが、高市早苗首相が掲げた消費税減税だ。12日にX(旧Twitter)で「宗教法人」がトレンド入りし、宗教法人への課税の可能性が浮上したことで話題となっている。
高市首相は、食料品の消費税を2年間という期限つきでゼロにすることを掲げているが、財源確保という大きな課題を抱えている。試算では年間約5兆円税収が減るとされており、どのようにして確保するのかが注目されている。
そこで浮上したのが「宗教法人への課税」だ。きっかけはデイリー新潮(新潮社)が12日に公開した記事だ。現在、宗教法人は収益事業には課税されるものの、宗教活動に関しては非課税となっており、法人税や固定資産税などにおいて優遇されている。仮にこれを取りやめ、すべての宗教法人に課税した場合、年間4~5兆円税収が増えるとのこと。消費税減税で減った税収にあてられるというわけだ。
宗教法人の課税に関しては、以前から議論を呼んでいた。2022年に発生した安倍晋三元首相の銃撃事件は、宗教法人への批判が強まった要因の一つだろう。山上徹也被告は、母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に約1億円の献金を行ったことで家庭が崩壊したため、教団への恨みを募らせ、教団に近いと考えていた安倍氏を狙ったと被告人質問で語っている。このような背景もあり、税制上優遇されていることを疑問に思う人は多くいるようだ。
宗教法人への課税によって4~5兆円を確保できるのは大きいが、実現させるのは難しい。2019年、プレジデントオンライン(プレジデント社)で青山学院大学学長(当時)の三木義一氏は「政教分離が形骸化する」「小規模法人は消滅の危機に瀕する」などと指摘。宗教法人への課税を強化した場合、税金の使途に対して発言権が生じ、結果、政教分離の原則が形骸化し、宗教団体の影響力が現在より強くなってしまうとのことだ。また、これまでは免除されていた税金を支払うことになれば、小さな宗教法人は存続が困難な状況に陥ってしまうという。
宗教法人への課税は高市首相が明言したものではないため、今後の展開については不明だ。一方で、昨年12月には高市首相が宗教法人「神奈我良(かむながら)」から3000万円もの巨額献金を受け取っていたとの報道もあった。また、選挙時の集票に関しては宗教法人から支援は受けている政党もあるのが現実だ。これまでタブー視されてきた「宗教法人への課税」に着手するには、宗教法人からの依存体制を脱却しなければならないだろう。