“湖上こたつ”Sixフロート、イベントで人気 免許不要の水上の新しい乗り物

昨年11月末、浜名湖で「湖上こたつ」イベントが行われた。参加者は湖に浮かべたフロートの上に置かれたこたつに入り、夕暮れや夜空を眺めて波の音を聞き、何もしない贅沢な時間を味わった。このフロートを開発したのはヤマハ発動機。12日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」でレポートした。

同社は、免許や船舶検査が不要な水上レジャー用の乗り物「Sixフロート」の実証実験を浜名湖で進めている。六角形のSixフロートは円形のゴムボートの上に同社製品のFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を天板として敷いている。全体の大きさは幅3メートル弱で、大人でも大の字で寝られるほどの大きさ。連結することで面積を拡張することもできる。動力は電動で、タブレット端末での遠隔操作や取り付けられたジョイスティックの2種類の方法で初心者でも簡単に操作ができる。

天板のFRPに同社の強みがある。鉄の4分の1の軽さで鉄以上の強度があり、水にも強い。同社はFRPで水上オートバイのボディや学校のプールを製造している。FRP製プールでは約90%のシェアを誇るが、学校からの新たな需要は落ち込み、2年前にプール事業から撤退した。そこでFRP技術を生かすべく新しく開発したのがSixフロートだった。若者のマリンレジャー離れが進んでいて、免許や船舶検査がいらないものを作りたいという思いもあったという。

毎年、夏の浜名湖はマリンジェットやクルーズ船などのレジャーで賑わうが、オフシーズンの冬場は閑散としている。観光客は3分の1に減少してしまう。同社はSixフロートで観光の新たな需要を掘り起こそうとしている。3年以内に数十万円での一般販売を目指しており、水上スポーツの観戦席やイルミネーションなど、用途の拡大も視野に入れている。

同社のマリン先行開発部担当者は「マリンレジャーの人口が減っているので、免許がいらない、着替えなくていいというハードルの少ないものを作ることでマリンレジャー普及のきっかけにしたい」と抱負を語った。

Sixフロートは海外でも活用される可能性を秘めている。水辺を取り巻く環境は規制強化の流れにあり、ヨーロッパでは既に電動でないと入れない水域もあるという。陸上のEV同様、マリン業界も電動化の流れにあるのだ。そうした場面でSixフロートの有用性をアピールすることは十分可能だ。

おすすめ