衆院選でデマ再燃 「ムサシ陰謀論」とはいったいなんだったのか
自民党の圧勝となった第51回衆議院議員総選挙。野党第一党の中道改革連合の獲得議席が49議席にとどまるなど、野党の惨敗も目立つが、そんな中でも比例代表で約381万票を獲得し、11議席を獲得した新興政党「チームみらい」が注目を集めている。
一方、れいわ新選組は前回比約213万票減と低迷し、公示前の8議席から1議席に。この結果に、X(旧Twitter)上では「消えた200万票」として、「ムサシ不正選挙」「ムサシ陰謀論」疑惑が再燃している。
「ムサシ陰謀論」という言葉を久しぶりに聞くという人も多いのではないだろうか。
「ムサシ陰謀論」とは、選挙開票機器を提供する株式会社ムサシが、自民党や与党に有利な票操作ができるというネット上の都市伝説。2012年の衆院選、安倍晋三氏の復帰勝利後にネット上で目立つようになったと指摘されている。
陰謀論はムサシの投票用紙読み取り分類機・計数機に「不正プログラム」が仕込まれ、票を自動改ざんするといったものだが、2009年に民主党が政権交代をした総選挙でもムサシの機器が使われていたことから、「デマ」と断定され、いまや議論の対象にもなっていない。
再燃した理由は、先述した通り、チームみらいが約381万票獲得した一方で、れいわ新選組が約213万票を失ったことにある。X上からは、「れいわの票がムサシでみらいに振り替えられた」「チームみらいはやりすぎて、明らかな不正選挙であることがバレてというか確信になってるね」といった声が聞かれている。
しかし、ムサシの機器は「読み取り・分類」機能のみで、開票現場では選管職員による複数回の目視確認・立会人監視で運用されている。さらに、当のれいわ新選組に所属している出雲市議の長島和孝氏は11日にXで衆院選の開票立会人をやったと明かしつつ、「不正選挙はあり得ません」と陰謀論に苦言を呈している。
大規模な不正を全国的に行うには、多数の関係者・複数工程での隠蔽が必要になり、現実味がない。ムサシ陰謀論の再燃は、SNS時代の情報拡散の速さを示す一方、不信の連鎖を助長しかねないだろう。