「なぜ君」小川淳也氏VS「これといった役職歴はなし」階猛氏の中道代表選へ…立憲系が不満タラタラ 解党・離党に向けた布石も

49人という、メディア各社の予想をさらに下回る議席数にとどまり、大惨敗を喫した中道。なかでも立憲系はわずか21人の当選にとどまり、議員や落選者からは「参院議員や自治体議員にはこれから合流するメリットがない」「中道は立憲と公明に戻ったほうがいい」などと、結党から1カ月も経たずに解党論まで出始めている。

野田佳彦と斉藤鉄夫の両共同代表は惨敗の責任をとって辞任し、13日に行われる代表選には小川淳也氏と階猛氏が出馬する意向だ。

一方の公明系からは候補者を出さない予定となっているが、その背景には、立憲側が公明側に抱く複雑な思いがある。

立憲の自治体議員は「今回の選挙で、真面目にコツコツ活動していた立憲系議員が一瞬のうちに吹き飛んでしまった。それなのに比例名簿に名前を載せただけの公明出身者が楽して当選した。こんな状況で中道に入って統一地方選に臨めと言われても……」と、中道への合流には後ろ向きだ。

「公明系は比例名簿の上位に登載され、全員が議席を獲得できたこともあり、中道の存続に肯定的。それだけに公明系より少なくなったとはいえ立憲側の議員に気を遣い、代表は立憲側から出すという方針は投開票日翌日には固まっていました」(立憲関係者)

そして立憲側からは小川氏と階氏が代表に名乗りを上げることに。

小川氏は、映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で知名度を上げ、今回の衆院選も逆風のなか小選挙区で勝利。ただ党内での求心力や永田町での評判はイマイチだ。

「すぐ泣くことで知られ、2021年の立憲代表選では、推薦人集めに苦労した末、出馬を模索していた大串博志氏に出馬を見送ってもらい、そのことに対する感謝の気持ちが高ぶったからか、出馬表明会見が始まる前から目を真っ赤にしていて、記者たちをドン引きさせていました」(全国紙政治部記者)

もう一人の代表候補、階氏は東大法学部を卒業し、弁護士資格も持つ政策通のベテランだが、これといった役職歴はなく、永田町での存在感や一般的な知名度は決して高くない。

一方、出馬が有力視されていた泉健太・元立憲代表は出馬を見送った。これには立憲落選者から「代表の資格があるとされる小選挙区当選者のうち、経験や知名度、公明・創価学会とうまく渡り合えるという点からも泉氏がベターだと思っていた。これからは立憲より党員数も圧倒的に多い公明側や創価学会に配慮するという、従来とは違った党運営が求められる。小川氏はすぐに感情的になるし、公明側に足元をみられてしまうだろうから心配だ」と落胆の声もあがる。

ただ、そこには泉氏なりの計算もありそうだ。

「代表を務めても、中道はすぐに瓦解する可能性があるし、火中の栗を拾うようなもの。泉氏はもともと国民民主から立憲に合流してきた経緯もあり、国民民主の議員たちともパイプはある。ここで中道の代表になるよりも、いずれ離党や国民民主との連携などの可能性を残しておいたほうがいいと考えたのかもしれません」(全国紙政治部記者)

誰が代表になるにせよ、党を存続させるなら、まずは立憲系と公明系の融和を最優先し、両党に残っている参院議員や自治体議員が入党する道筋をつけることが当面の課題となる。いばらの道だが、新代表率いる中道は立憲系・公明系一体となって、野党第一党として存在感を示すことができるだろうか。

文/中村まほ 内外タイムス

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