住宅価格高騰、東京都の対策と衆院選での各党の住宅政策は
総務省が昨年1年間の人口移動報告を発表した。東京都は転入した人の数が転出した人を6万5219人上回る転入超過となった。ただ、その数は前年から1万4066人減っており、4年ぶりの減少となった。その要因と見られるのが、住宅価格の高騰だ。3日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」で解説した。
東京23区の新築マンション平均価格は、昨年1億3613万円となり、3年連続で1億円を超えている。建築コストや人件費高騰のほかに要因として指摘されているのが、実需に基づかない短期的売買を繰り返す投機的な取引だ。賃貸マンションの家賃相場も5年前の1.2倍に上昇している。
今回の衆院選で各党は対策を求めており、外国人による取引抑制を掲げる主張は多い。自民は「首都圏等の投機的売買の抑制を含む現下の住宅価格高騰への対応」と公約に盛り込んだ。外国人の住宅・土地取得や所有者の把握について法律やルールを見直すという。
維新は、外国人や外国資本による土地取得規制を強化する法案の策定を訴え、参政は外国人による不動産取得の厳格化、保守は外国勢力の不動産買収禁止を掲げる。国民民主は、中低所得者向けの家賃控除制度の創設を掲げ、外国人に限らず居住目的以外の住宅に課税する「空室税」の導入を主張する。
中道は家賃補助や安価な住宅の提供、空き家を借り上げる「みなし公営住宅」の整備を掲げており、資金面の負担を減らす公約が中心だ。共産は家賃減税、れいわとみらいは公共住宅や公営住宅の拡充を訴える。
東京都は4月から独自対策として「アフォーダブル住宅」の供給を始める。都と民間企業が出資してファンドを作り、マンションや戸建てを取得、手頃な価格で住宅を供給する仕組みだ。都は100億円を出資し、年間200戸ずつ計1200戸の割安な住宅を供給する方針。
日本経済新聞社論説主幹でコメンテーターの原田亮介氏は、大都市への富の集中(ジェントリフィケーション)について「これは世界的な現象で、例えばニューヨーク・マンハッタンの平均家賃は4000ドル(60万円)になっている。ITやデジタル関連の高額所得者が大都市の高額なマンションに住むようになっている。介護・警察・保育などエッセンシャルワーカーの人たちが職場に近いところに住めなくなっている。日本もニューヨークのようになってしまう可能性がある」と解説。
ジェントリフィケーションは都市開発などで富裕層が移り住んで居住環境が変化、中低所得者層が排除される側面がある。
「大都市に多様な人が暮らすようにするには、アフォーダブル住宅は1つの手だ。日本の場合は空き家が多いので、それをうまく利用してミスマッチを解決する知恵が試される」(原田氏)