フェイク情報の誤りを適切に判断できる人はわずか14・5% 政治系YouTuberは「確証バイアス」を狙う
選挙戦で街頭演説は大きな柱だが、北海道や東北、北陸地方では積雪や厳しい寒さの影響で思うように実施できない状況が続いている。街頭演説を抑え、屋内での個人演説会を中心とした活動に切り替えている候補者もいる。そして、SNSの活用を広げ、「雪国の選挙戦だからこそ、SNSが重要になる」と話す候補者もいる。
しかし、今回の選挙戦もSNS上では事実とは異なるフェイク情報やフェイク画像が急増している。2日放送のテレビ朝日系「ワイド!スクランブル」でこの問題を解説した。
SNSに詳しい国際大学の山口真一教授は「フェイク情報を信じる人は一定数いる」と指摘、続けて「フェイク情報を見聞きした後に、その情報は誤っていると適切に判断できる人は14・5%しかいない。(選挙戦が)短期決戦であるために真偽不明情報が多く流れてもファクトチェックが間に合わない。全然関係のない個人がニュース風に作っているだけの動画も増えている」と話した。
生成AIを使うことで、一般人でもフェイク動画が簡単に作ることができるようになり、その出来栄えはますます巧妙になっている。山口教授が挙げた例で言えば、フェイク街頭インタビューや、画面右隅にテレビ局の「速報」テロップを入れてテレビから切り取ったように見せるフェイク動画もある。
かつてのフェイク動画は人物の動きがどこかぎこちなかったりしたものだが、今はそんな違和感もなく判別が難しくなった。では、真偽を見抜くにはどうすればいいのか。
山口教授はチェックポイントを2つ挙げる。まず、情報源を探ること。つまり、その情報や画像はどこから誰が発信したものかを確認すること。そして、複数の媒体でチェックすること。その情報のキーワードや画像を検索して他の媒体でも発信されているかどうか。
生成AIのフェイク動画を取り締まる法律があるのかと言えば、現状は名誉毀損罪や著作権法で対処するしかない。昨年5月に「AI法(人工知能技術研究・活用推進法)」が成立(同9月全面施行)したが、罰則規定はない。強い規制を盛り込むと正当な批判に対しても「フェイクだ」と反論することができ、表現規制につながるおそれがあるためだ。
山口教授は「選挙に関するコンテンツの収益化などを制限すれば過度な投稿を抑えることができるのではないか」と指摘する。YouTuberたちは“バズらせる”ことを目的に過激な表現を使う傾向にある。
人間の心理には「信じたいものを信じる」という確証バイアスが働く。コメンテーターで戦略コンサルタントの田中道昭氏は「フェイクニュースの本当の脅威は、見ている人の判断を停止させてしまうこと」だという。
トランプ大統領の言説に米民主党のみならず欧州や日本が異を唱えても、“トランプ信者”は一切聞く耳を持たない。そして、トランプ大統領が「フェイクだ」と言った瞬間、それ以上話し合いは進まない。