早くも野田氏と斉藤氏がぎくしゃくの中道、「目標51議席は困難では」の国民民主、知事選勝利で勢いに乗る参政…三者三様の野党の戦い
27日に公示された衆院選は、多党化の状況下で、主要野党の戦いは三者三様のようだ。
まずは立憲民主党と公明党が合流して結党された中道改革連合。さっそく討論会では安全保障や辺野古移設について、野田佳彦共同代表がこれまでの主張との矛盾を問われる事態に。さらに斉藤鉄夫共同代表は「自民と連立を組むこともあるかもしれない」(産経新聞のインタビュー)と発言するなど、野田氏との方針の違いも目立っている。
「あまりに斉藤代表の発言が不安定で立憲側と齟齬(そご)があるので、このままではさらなる党内の混乱を招き、自民から突っ込まれる隙を与えてしまいます。先日は野田氏が斉藤氏に対して『2人で並んでメディアの取材に答えるときは、私が先に答えますから。斉藤さんはその後にしてください』とけん制していました」(中道関係者)
現場でも立憲・公明のぎくしゃくは続く。
立憲出身の候補は「比例ブロックの上位は軒並み公明党に占められ、まるで乗っ取られた感じなので、小選挙区で勝たないといけないが、公明票をどれだけ取り込めるのかも、公明色が強くなると離れてしまう無党派層がどれだけいるのかも分からない。立憲や公明のベテランと一緒に街頭に立つときも、SNSでのお知らせには立憲のベテラン議員の写真しか載せていない」とぼやく。
そんな中道の政党支持率は、現状では立憲と公明の支持率を足した程度にとどまり、立憲内からは「街頭演説をしても無党派層がしらけている感じ。合流に対する期待感がなく、伸びしろがない」との嘆きが漏れる。
いっぽうの国民民主は目標の100人以上を小選挙区でなんとか擁立したが、その大半が新人候補だ。急な解散のため、新人候補からは「準備期間が短く、党のサポートも足りない状況。ボランティア集めも間に合わず、何とか知り合いや子どもの友達まで集めて手伝ってもらっている」との嘆きも。国民民主担当の政治部記者は「国民民主は現有のほぼ倍となる51議席の獲得を目標に掲げているが、看板政策の『年収の壁引き上げ』は一区切りついたこともあり、そこまでの伸びは見込めないのでは、と党内でもみられている」と明かす。
中道、国民民主と異なり、前回衆院選からの勢いが最もあるとみられるのが参政党だ。25日に行われた福井県知事選では、参政党が支援した新人の石田嵩人氏が勝利。福井は神谷宗幣代表の出身地で、参政党にとって重要な地域だ。
「もともと自民党本部が元越前市長の山田賢一氏を支持したいっぽう、保守系の福井市議らは石田氏を支援する保守分裂の選挙戦となりましたが、投開票日の6日前に神谷氏が石田氏への支援を表明。応援にもかけつけました。参政党がメーンとなってバックアップした候補ではありませんでしたが、神谷氏の狙いどおり衆院選前に『参政党支援の知事が誕生』というニュースが流れ、衆院選に向け弾みをつけた形です」(全国紙政治部記者)
そんな参政党は、衆院選に前回衆院選の2倍以上となる180人超を擁立。解散報道前から国民民主を上回るペースでの候補者擁立を進めてきた。「当選できなくても、どこの選挙区でもいいから出たい。参政党の主張を訴えたい」という候補者が多いのが特徴だ。
ただ、対峙する高市政権の支持率は高く、石破政権時に自民支持層から参政に流れた保守票をどこまでつなぎとめることができるかが課題となりそうだ。
衆院選で自民・維新が過半数を確保したとしても、参院選で過半数を割っている状況には変わらず、どの野党が存在感を発揮できるかは、これからの政局を占う。今後のカギを握る野党はどの党か。
文/中村まほ 内外タイムス