学会票に頼れず結局“高市頼み”で手のひら返しの自民候補たち、でも本人は10分に1回「疲れた」のぼやき
27日に公示された衆院選。自民にとっては裏金問題の逆風が終わらないなか、公明票(創価学会票)を頼れない選挙戦となっている。そうなると頼みの綱は支持率の高い高市早苗首相のようだ。
小選挙区で苦戦する自民新人候補の陣営関係者は「公明が連立を離脱してから、公明の自治体議員にあからさまに距離を置かれるようになった。公明票を期待できないので、支持率の高い高市首相に応援に来てほしいと、高市首相に近い県内の大物にも頼んだ」とすがる状況だ。
「石破茂首相時代は、石破氏が不人気で候補者からの応援依頼がなかなか来ず、むしろ現場から断られる状態で、小泉進次郎氏に要請が集中していました。ですが支持率の高い高市首相には応援依頼が殺到。公明票に頼れず不安な候補者が多いようです」(全国紙政治部記者)
街頭でも高市首相の人気は高く、維新の吉村洋文代表と並んだ秋葉原での第一声で「歯を食いしばって30年以上かけてやっと内閣総理大臣になれた」と感極まったように声を震わせると、聴衆からは拍手が起こった。
「人気者の首相が選挙区に入れば劣勢の選挙区も跳ね返せるという期待は高く、選挙中の高市首相の遊説先は今のところ、兵庫や徳島、福岡、神奈川、愛知、岐阜、長野、埼玉などが予定されています。苦戦が予想されている新人候補の選挙区のほか、前回裏金問題で公認を得られず、維新候補に負けた大物・武田良太氏の選挙区に入ることも検討されています」(自民関係者)
もともと飲み会が苦手で「党内に仲間がいない」とされてきた高市首相だったが、ここに来て、高市氏と必ずしも親しくなかった候補者までもが「高市首相と親密」アピールを続けている。
たとえば、前回衆院選で裏金問題をめぐる批判を受け落選した下村博文氏。かつては、高市氏が総裁選出馬に向けて動いていたときに自らも出馬を模索していたが、今は「高市早苗総理と二人三脚で日本を前に進めます」と繰り返し訴えるほど、高市氏との近さをアピール。
「下村氏はまるで何十年も前から高市氏の側近であったかのようにふるまっています。下村氏は以前も安倍(晋三)氏にもべったりだったわりに、安倍氏が首相辞任を表明すると首相をねぎらうこともなく、すぐに自分の総裁選出馬に向けて動き、安倍氏から『許せない』とあきれられていました。今回も自分の当選に必死で、あからさまに高市氏との近さをアピールする様子に、自民党内からも失笑が漏れています」(全国紙政治部記者)
ただ、応援に引っ張りだこの高市氏には不安も。解散直後の週末は、討論会や報道番組への出演など一部の日程以外は公邸にこもりきりだった。
「高市首相は、10分に1回『疲れた』と言うくらい、お疲れモードのことも多い。首相就任後も日が変わっても資料を読み込むなど忙しいが、公邸に帰ると夫に『ご飯を作ってほしい』と言われて食事も作って、ほかの家事もしているので、周囲は体を心配している」(高市氏周辺)
複数の選挙プランナーなどから自民・維新での過半数超えの予測がちらほらと出始め、中道への期待感も高まっていない選挙戦。「働いて働いて…」の疲れを見せず、各地からの応援要請にも応え、異例の超短期決戦を逃げ切れるか。
文/中村まほ 内外タイムス