外国人観光客が年間4000万人を突破 中国人団体客は減少で富裕層や欧米客を誘致が課題に

昨年の訪日外国人観光客数は年間約4270万人となり、初めて4000万人を超えた。その旅行消費額は約9兆5000億円に達した。内訳は中国が約2兆円で全体の2割を占めている。ただ、中国政府は昨年11月から渡航自粛要請を出しており、春節を前に日本を訪れる観光客は激減している。そんな中、富裕層をターゲットにサービス強化する企業もある。20日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」が取材した。

東京・紀尾井町にあるホテル、ザ・プリンスギャラリーの支配人は「(渡航自粛の)影響はあるが軽微であり、インバウンド全体では好調に推移している」という。

中国からの団体客は減少するものの、富裕層の個人客は影響を受けていないからだ。来月の春節を前に力を入れているのは「イマージブダイニング」だそうで、壁一面のプロジェクションマッピングを見ながら高級創作和食が楽しめる。食事代は1人4万2000円で、個室料2万円とのこと。ほかにも茶道や利き酒など日本ならではの体験を価値提供する。

松屋銀座も中国人観光客は減少しているものの、7階の家庭用品売り場では変化も出てきたという。副店長は「例えば包丁や食器などを、マレーシアやタイなど東南アジアからの観光客がたくさん買い求める」と話す。東南アジア観光客の売り上げが1年前に比べ1割以上増えているという。

減少している中国人団体旅行客の消費分を、富裕層旅行客で埋めるか、中国以外の国からの旅行客で埋めるのか、今年も各企業が知恵を絞って新しいサービスを展開していくことになる。

観光庁の「インバウンド消費動向調査」を見ると、国・地域別の1人当たり旅行支出が分かる。1人当たりの旅行支出が30万円を超える国は、ほとんどが欧米およびオーストラリアとなり、為替の影響もあるものの、滞在日数が2週間を超える国が多いことも要因だ。

政府は、4年後の2030年に訪日外国人客数を6000万人に、消費額を15兆円に増やす目標を掲げており、オーバーツーリズム対策など受け入れ環境の整備が課題だ。

新たな外国人政策を打ち出した高市政権の誕生でインバウンドに対する考え方が軌道修正される懸念もあったが、高市首相は「観光立国」の重要性は認めているので、当面大きな変化はなさそうだ。ただ、選挙結果によって外国人政策が過激な日本保守党や参政党の声が大きくなると、どうなるかわからない。

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