グリーンランド鉱物資源の独占が目的か “領有”狙うトランプ大統領に米国内でも75%が反対
米国のドナルド・トランプ大統領は、デンマーク自治領グリーンランドの購入が認められるまで、購入に反対する欧州の同盟8カ国に対する関税を引き上げると表明した。デンマークとグリーンランドの指導者はいずれも、同島は売り物ではなく、米国の一部になることを望んでいないと一貫して強調している。この問題について、19日放送のテレビ朝日系「モーニングショー」が解説した。
トランプ大統領は「グリーンランドには、ロシアと中国の船がうじゃうじゃいる」と主張する。確かに、ロシアは北極沿岸で軍事施設の整備・増強を続けている。また、中国は巨大経済圏構想「一帯一路」の一環として掲げた「氷上のシルクロード」がいったんは頓挫したものの、ロシアと連携を深めて再び北極での影響力拡大を図っている。
グリーンランドが米国にとって安全保障上の要衝であることは事実だが、トランプ大統領の真の狙いはレアアースや鉄鉱石、銅、亜鉛、金などの鉱物資源とも言われる。グリーンランドには、米国とほぼ同じ規模の150万トンのレアアース埋蔵量があると推定されており、世界最大規模の未開発地域だ。
「安全保障」にしても「資源」にしても、グリーンランドの重要性が急浮上しているのは、地球温暖化で氷が解け始めているからだ。1996年から29年連続で氷の総量が減り続けており、2025年7月中旬には、氷床全体の80%以上の表面で融解が確認されている。
グリーンランドの氷は「陸の上」に乗っているため、氷が解ければ資源開発もしやすくなる。また、北極圏を通る新しい航路が開ければ、スエズ運河を通る従来の航路に比べ、アジアと欧州を結ぶ距離が約40%短縮される。
レギュラーコメンテーターの玉川徹氏は米国軍がすでにグリーンランドに駐留していることに触れ、「米国は今のままでもグリーンランドへの軍事基地を増やすことはできるので、やはり“領有”したいのだろう。ただ、領有したいと考えているのは“米国”ではなく“トランプ”さんだ」と指摘する。
CNNの世論調査によると、米国のグリーンランド支配に75%の米国民が反対している。また、共和党議員からもトランプ大統領に反対意見が出ている。
弁護士の猿田佐世氏は「就任演説でも領土の拡大と言っていた。(トランプ大統領の思考は)19世紀の植民地主義・帝国主義に戻っている」と痛烈に批判した。