自然と利便性がそろった熱海が再ブレーク シニアの移住先として人気沸騰中

60代以上が選ぶ最新の移住希望地ランキングで静岡県が3年連続1位に輝いた。“静岡県”とは言っているが、具体的には熱海市のことで、その人気の理由はどこにあるのだろうか。16日放送のテレビ朝日系「モーニングショー」で紹介した。

熱海といえば誰もが知る観光地で、高度経済成長時代の1960年代半ばには年間500万人以上が宿泊した。しかし、その頃がピークでバブル崩壊の1991年以降は急激に落ち込み、2006年には熱海市が「財政危機宣言」を発出するなど危機的な状況に陥った。2011年にはピーク時の半分246万人にまで落ち込んだ。

だが、インバウンド人気と地元の再生努力もあって、24年の宿泊客数は5年ぶりに300万人を超えた。観光地・熱海の人気再燃だけでなく、現在はシニア層の居住地として注目が高まっている。

人気の理由は大きく分けて2つ。温暖な気候と豊かな自然、そして東京から新幹線で40分という圧倒的なアクセスの良さだ。熱海は全国的にも日照時間が長く、自然環境としては「海・山・温泉」の三拍子がそろっている。東京からのアクセスの良さは、仕事とプライベートを考えた上で2拠点移住が可能になる。

そして、シニアにとって魅力的なのは、熱海駅周辺には商業施設や病院、ドラッグストアのほか、新鮮で安い野菜などが売られているスーパーも充実していることだ。徒歩圏内に豊かな自然と都市機能が備わっている「コンパクトシティ」であることだ。東京近隣の中堅都市も郊外の住宅開発によって、シャッター街の駅前が目立つ。しかし、自家用車が必要なそういった街はシニアには住みづらい。

熱海にはシニアの移住者向け分譲マンションが増えている。番組で紹介した「中銀ライフケア熱海・水口」の入居条件は55歳以上。「永住の地を見つけた」と一昨年移り住んだ83歳の単身女性は、海を一望できる57㎡の1LDKの部屋を900万円で購入した。

管理費は毎月5万1900円で、24時間看護師が常駐する健康相談室があり、各部屋にはナースコールできる見守りサービスもついている。さらに、温泉ジャグジーがあって、市内を循環する無料のシャトルバスもある。管理する中銀インテグレーションによれば、直近1年間でのマンション販売件数は過去最多(前期比1.4倍)だそうだ。

認定NPO法人ふるさと回帰支援センターは「以前は悠々自適な生活を求めて田舎を希望する人が多かった。最近は生活環境をあまり変えない範囲での移住を希望するライト層が増え、都心に近く新幹線沿線の場所が人気になっている」と話す。

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