「オーダースーツSADA」の佐田社長、“自社スーツ”で南半球最高峰アコンカグア制覇 雪崩危機で一時撤退も、執念で登頂果たす
紳士服製造・卸・受注などを手掛ける「オーダースーツSADA」の社長・佐田展隆氏(51歳)が18日、自社のオーダースーツを着用し南米大陸の最高峰アコンカグアの山頂を制した。同山の標高は6961メートル。
佐田氏は「一度は諦めた頂に建てた時、サミット・ガイドさんに抱き締められ、思わず涙ぐんでしまいました」と感極まったことを話した。
「フルオーダースーツの敷居を下げ、1人でも多くの方にフルオーダースーツの素晴らしさを体感して頂くことが弊社のミッション」とコメントする佐田氏は、これまでも自社のスーツを着こんで、モンブランやキリマンジャロに登る動画をYouTubeチャンネルにアップしている。動画の企画は、100の名山を登るというもので、これまでに踏破した山は合計73座に及ぶ。山だけでなく、沖縄の慶良間諸島でスキューバダイビングする際も自社スーツで挑戦している。
スーツで登山を始めた理由は、「お試し1万9800円から本格フルオーダー」と打ち出しているため、「安かろう悪かろうだろう」と誹謗(ひぼう)中傷を受けたことから、そうではないと反論するためだという。スーツの気心地がよく動きやすい、丈夫であると品質を証明するため「SADAのオーダースーツで富士山に登る」という企画が立ち上がった。2013年9月に実施したものを、YouTubeにアップしたところ、全国紙から取材が入るといった反響を呼んだ。
今回の挑戦は日本時間12月31日から始まった。最初の目標は、標高3400メートルのコンフルエンシア・キャンプだ。1月1日に到着し、キャンプ地で高度順応のため3泊。休養中もメディカルチェックや順応のためのトレッキングなど、準備を怠らない。
3泊した後、標高4300メートルのベースキャンプがあるプラザ・デ・ムーラスに3日到着。すでに富士山よりも高い場所だ。同キャンプ地では5泊し、再び高度順応。体調に障害がでていないか、検査すると「血中酸素濃度は85%」と自身のSNSに投稿。なお、血中酸素濃度は80%以上だと適応しているという目安になる。メディカルチェックの際、現地ドクターからも「パーフェクト」のお墨付きをもらえたようだ。休養日以外は、ベースキャンプから約600メートル上にあるキャンプ地「キャンプ・カナダ」へと荷物を運んだりし、適応していった。
12日、標高6000メートルからのファイナルアタック中に、雪崩が起きる可能性から、現地のガイドが話し合い撤退が決まったものの、下山中にまたも状況が反転。1週間滞在を延ばし、雪が落ち着いてから一気に登る提案をされた。
自社のスーツを着ての登山。佐田氏が登頂したアコンカグアは、南半球で一番高い山だ。自社の製品PRとは言っているが、若手や中堅社員に任せるわけではなく、トップ自らが登る姿勢がすさまじい。佐田氏の登山はまだまだ続きそうだ。
文/並河悟志 内外タイムス編集部