空き家放置は課税リスク増大 地方の空き家をワンストップで購入する不動産業者も
1月は年末年始の帰省をきっかけに、子どもや孫が実家を整理・処分する“実家じまい”について検討することが増える。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、“大相続時代”に突入する中、実家じまいの新サービスが注目されている。14日放送のテレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」が紹介した。
地方の実家を相続したものの、すでに東京や大阪など大都市圏に住んでいる人は、その家屋や土地を放置しているケースが少なくない。空き家は急増しており、2023年には全国の空き家は900万戸に達する(総務省調べ)。空き家を放置して老朽化が進み、自治体から危険な建物として勧告を受けると、最大6倍もの固定資産税が課される恐れもある。
しかし、不動産会社に売却を相談しても扱ってくれないことが多い。地方の空き家は資産価値ゼロ、あるいはマイナス評価されるからだ。「負動産」「訳あり物件」などと呼ばれることもある。
不動産スタートアップのネクスウィルは、そんな実家じまいなど、相続に伴う不動産課題をワンストップで対応することで注目されている。一般市場では売却が難しいとされる不動産を買い取り、権利関係を整理するなどの手を加え、取り扱いや売却が困難とされている要因を排除して再販するという。
通常、実家じまいをする場合、不動産会社との売却交渉だけでなく、登記の変更を司法書士に依頼したり、家財の処分を遺品整理業者に連絡したりすることが多い。ネクスウィルの「ワンストップ実家じまい」はこのすべてを請け負う。
丸岡智幸CEOによれば、共有状態になった相続物件が相続人の間で売却か否かの意見が分かれる「訳あり物件」も増えているという。そんなときでも、同社は相続人1人分の権利を買い取ることも行っている。購入後は他の権利者と売却交渉を行う。
同社の25年度の買い取り件数(予測)は800件にのぼり、前年比88.2%も増えている。「(空き家は)地域にとって資源であり資産。つぶして建て替えるのでなく、そのまま使うという価値観に変えないと空き家問題はなかなか解決しない」(丸岡氏)
なお、地方の空き家だけでなく都市部にも訳あり物件は多数ある。例えば、建築基準法の条件を満たしていない再建築不可物件や登記がなされずに相続が繰り返されてしまった所有者不明物件、また、いわゆる事故物件などだ。同社はそんな物件についても買い取りを行っている。